バス運転手のひとりごと

バス運転手の日々の奮闘を紹介します

組合活動

バスや電車のストライキを最近は見なくなりましたよね。

 

昔はストライキがあると朝いつもより早く起きて、歩いて学校に行った経験をお持ちの方が多いのでは?(歳がばれますね)

 

バスや電車の会社には従業員を大勢かかえている企業が多く、そこには必ず労働組合なるものが存在します。

 

労働組合は、労働者が団結し会社(使用者)側と交渉を行うのですが、

 

f:id:ganbaru314:20190425002604j:plain

 

その最たるものが春闘とよばれる、ベースアップ等の賃金の引上げや労働時間の短縮などの労働条件の改善を求める労働運動です。

 

その交渉の中で、組合側の切り札としてストライキがあるんです。

 

私も労働組合の役員を務めていたことがあり、特に忙しいのが春闘の時期で、バスの運転以外の仕事が舞い込んでくるんです。

 

f:id:ganbaru314:20190425002526j:plain

 

代表的なものがスト権投票です。

 

交渉を有利に進めるために組合はストライキをちらつかせるのですが、労働者の総意であることを示すため、〇か✖かの投票をおこないます。

 

全組合員に投票をしてもらうため、役員は待機室に張り付いて全乗務員の名簿を片手に走りまわります。

 

営業所に帰ってきてもほとんど待機室に顔を出さずに、バスの中でゲームに夢中になる人や、食堂に直行して食事が終わったらそのまま発車してしまう人などつかまえるのがひと苦労!

 

それでも100%近い回答を得て、交渉に臨む代表者にこれを託します。

 

しかし近年はこの労使間の交渉もどこか帳面消し(とりあえず交渉しました的な)の様相で、妥結に至っているようです。

 

高度成長期の経済状況なら、業績も右肩上がりで組合としても強気の交渉ができたのでしょうが、現状はそうはいきません。

 

労使で衝突している間に会社の体力が落ちてしまいかねないのです。

 

ストライキなどしていると、世間の批判を浴びることにもなりますし。

 

 

若い乗務員たちに組合活動に関心があるかたずねると、ほとんど興味がないという答えが返ってきます。

 

会社にたてついて自分の立場を危うくしたくないということでしょうか。

 

そもそも組合活動なんて許されるの?と思っている若い人が多いことに驚きます。

 

労働者の団結する権利は、日本国憲法で保障されていることを説明するのですが、わかったのやらわからないのやら・・・

 

日本国憲法 第28条

勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

elaws.e-gov.go.jp

バスの運転手は、日々の乗務以外にも戦いの場があり、皆頑張っています!

 

あたたかい目で見守ってください。